今回は紹介する会社は、とても働きやすいのですが、強くお勧めできる就職先かというと、そうでもありません。
とにかく、内容を見ていきましょう。





日本ケミファってどんな会社?

日本ケミファという会社をご存じでしょうか。
中堅の医薬品メーカーで、後発医薬品が売上の8割を占めている会社です。

製薬会社は大きく二種類に分類されます。
先発薬メーカーとジェネリックメーカーです。
日本ケミファは後者、つまり、ジェネリック医薬品をメインとする製薬会社です。
新薬開発も謳っていますが、あくまでメインはジェネリックです。

2018年の業績

売上はここ最近は停滞気味で、経常利益率は5年連続で下落しています。

実は、ジェネリックメーカーは競争が激しい環境におかれています。
ジェネリックとは、特許切れの薬と同じ成分で作った薬をいいます。

言い方は良くないですがジェネリック医薬品とは、誰かが開発した薬を真似して作ったパクリ商品ということになります。
有効期限が切れた1つの特許に対して、10、20の企業が群がるので、競争がどうしても激しくなってしまいます。
付加価値が低い商品ですので、結局は価格競争になります。
消費者にとっては嬉しいのですが、企業にとってはどうしても苦しくなります。

今はまだ高い利益率を維持できていますが、この調子で下がり続けるとかなり厳しい状況に追い込まれることになるでしょう。
とは言っても、この状況を打破するのも、かなり難しいと思いますが。

職場環境についての情報

会社の概要について簡単に把握できたところで、職場環境について考えていきましょう。
給与水準と働きやすさについて分析しています。

平均年収の推移

収益性に陰りが見えているため、どうしても仕方のないことなのかもしれませんが、平均年収は徐々に減少しております。
5年前から平均年収が下落基調に推移しています。
昇格抑制や賞与削減が実行されているのかもしれません。
この先も、何も変化が見られなければ、平均年収が上がっていくことはないかもしれません。

給与水準2018

下図は上場企業3235社の平均年齢と平均年収を散布図にしたものです。
中央に引かれているピンクの線が平均線です。
つまり、平均線より上側にあれば上場企業の中で給与水準が高く、下側にあれば上場企業の中で給与水準は低いと判断することができます。

日本ケミファについては平均線の上側にあることから、上場企業の中では給与水準は高いと予想されます。
しかし、製薬会社の中では高い水準ではないということだけは把握しておいた方がよいでしょう。
利益率の低いジェネリック医薬品を扱い続けているだけでは、他の製薬会社と比べてしまうと苦しいです。

年収事例

実際に年収事例を見ないと、具体的な給与水準が分からないと思いますので、掲示板や口コミサイトに掲載されていた情報を紹介します。

  • 新卒入社2年目 420万円
  • 新卒入社5年目 450万円

年収事例は少ないのは申し訳ありません。
給与水準自体は普通なような気がしますが、他の製薬メーカーに比べると圧倒的に劣ります。

他の製薬会社であれば、日本ケミファの新卒5年目が新卒1年目のレベルだと思います。
ただ、他業界に比べると年収高いので、給与への不満が少ないのも事実です。

働きやすさについて

日本ケミファは働きやすさという点では悪い会社ではありません。
むしろ最高だと思われます。

2018就職四季報の情報によると、有給消化年平均:5.6日、残業月平均:2.3時間です。

有給消化数は少ないですが、残業時間が非常に短いので、ワークライフバランスは保ちやすいと思います。
残業の月平均が2.3時間ということは、残業はほぼ0と考えてよいでしょう。
定時に帰れますので、自宅に19時前には必ず帰宅できる環境ということになります。
これほど働きやすいと、有給を取りたいとも思わないのかもしれません。

また、日本ケミファのとっても良いところなのですが、お客さんのところへの直行直帰が許されています。
直行とは、会社に寄らずに自宅からお客さんへ直接訪問すること、直帰とはお客さんの訪問が終わったら会社に戻らずに自宅へ帰ることです。
直行直帰ができると、自分のペースで仕事が行えるため、仕事へのストレスはかなり減ります。
たとえば、10時にお客さんを訪問する約束をすれば、定時が9-17時でも、朝9時に家をでることが可能です。
かなり優れた環境です。

平均勤続年数の推移

これまで、日本ケミファについて、給与水準に社員の不満は少なく、ワークライフバランスもとりやすいとご説明してきました。
しかし、平均勤続年数は下落しています。
その理由は確認しておいた方が良いと思いますので、口コミ情報を次で確認していきます。

退職理由

給料に不満は少なく、ワークライフバランスも悪くないにもかかわらず、なぜ平均勤続年数がこんなにも下落していくのでしょう。

答えは、会社の将来性にあると考えています。

では、口コミサイトに掲載されている、実際に退職した方の退職理由について、口コミ情報を確認してみました。(「就活成功のために!キャリコネ、Vorkersを使いこなそう」参照)

  • 新薬開発ができない環境に将来性を感じない。
  • 後発医薬品の競争が激しく、将来的に価格競争ができなければ淘汰されてしまう
  • 今後売上が伸びない状況が目に浮かぶ
  • 新薬を扱いたい

後発医薬品業界特有の事情に対して、将来不安を抱く人が少なくありません。
たしかに、特許切れの薬は付加価値が小さく、多くの企業が群がるため、必然的に価格競争に陥ります。
価格競争になれば、利益率が改善することはありません。

実際に利益率は下落基調に推移していますし、今後もこの調子で下落していくことを想像すると、長く働くことに怖さを感じることは仕方のないことかもしれません。
業種は違いますが、東芝やシャープなど、だれもが認める大企業が簡単にダメになるケースも最近は増えていますから。

例え、給料に不満がなくても、働きやすくても、潰れるかもしれないと思う会社に人生を預けることはできません。
ワークライフバランスについては良い会社だと思うのですが、就職は十分な確認のもと決断しましょう。




さいごに

いかがだったでしょうか?
給料に不満がなく、働き方にも不満がなくても、退職者が多く出てしまうことは少なくありません。
会社の将来性を確実に予測することは誰にもできませんが、最低限直近の状況を確認した上で就職を考えましょう。