今回は志望動機の悪い例を紹介していきたいと思います。
私が面接官だったとして、採用したいと感じない志望動機を集めてみました。
良い例はよく紹介されていますが、悪い例からも学ぶことは多いと思います。





京セラの志望動機

【京セラ】
御社は社会性に富んだグローバル企業であり、根幹となる基礎研究を徹底しておられ、物事の一つに固執せず、多角的なところから見定める人材育成に力を注いでいると感じられたことが志望動機です。私自身も、基礎の徹底と多角的視野を意識して行動をしています。日頃の失敗も糧にして、振り返って直すべきところは修正していき、また積み上げていくことでより高い目標へチャレンジし続けることが出来ると考えています。将来は、吸収した技術を人に伝えられるような技術者を目指し、積極的な人材の教育にも携わっていきたいと考えています。

京セラは日本有数の大企業であり、内定獲得のハードルは相当高いことが予想されます。

それを前提に考えると、この方の志望動機は少し上から目線です。
人材育成に力を注いでいるから就職したいというのがこの方の志望動機だと思いますが、志望動機としては、京セラ側から見たときに、応募者を採用するメリットを訴える必要があると思います。

この方の魅力が基礎の徹底と多角的視野を意識して行動することだとすれば、それを具体的に説明するべきでしょう。
この文章だけでは、具体的な説明がまったくありませんし、この方が優秀であったとしても、そんな優秀な方であるようには思えないような文章になってしまっていて、勿体ないです。

また、この方は「なぜ京セラに就職したいのか」という答えを全く説明出来ておりません。
基礎研究や人材育成に力を入れている企業は他にもたくさんあります。
数ある企業の中で、なぜ京セラに興味を持ったのか、なぜ就職したいと思ったのか、全く見えてきません。
難しいかもしれませんが、本当に京セラに就職したいのであれば、そこまで落とし込みを実施するべきです。

そして、もしこの志望動機が面接用ではなくエントリーシートとして記載されていたのだとしたら、話にもなりませんので注意です。
最初に「御社」という言葉がありますが、これは書き言葉ではなく話し言葉です。
エントリーシートには「貴社」と記載しなければなりません。
基本的なことができていなければ、京セラほどの大企業の内定は絶対に獲得できないでしょう。

ニトリの志望動機

【ニトリ】
私は、社長のおっしゃる「日本人に欧米並みの豊かな住生活を提供する」という理念に共感し、御社を志望させていただきました。ここ数年で、部屋のリフォームや改造を紹介する内容のテレビ番組やインテリア関連の雑誌・書籍が増え、日本人のインテリアに対する関心は今までになく高まってきているのではないかと思います。機能性や値段の観点のみにより家具・生活雑貨を選んでいた時代から、それらの要素に加えてデザインやトータルコーディネートの点からも選ぶ時代へ、着実に変わりつつありますし、そのような意味で御社の将来性に魅力を感じます。

この志望動機も京セラ例と同じで、上から目線の志望動機です。
会社の将来性の高さについて説明し、将来性があるから就職したいという志望動機になっています。

就職候補を絞り込む中では重要な視点ではあると思いますが、この場はニトリという会社に自分を売り込む場所です。
採用を決めるのはニトリの人事部であり、その人事部から選ばれるためにはニトリ側に自分を採用したいと思ってもらう必要があります。

この文章を読んで、ニトリの人事部が入社してほしいと感じるとは思えません。
この方がこれまでどのような経験をし、どのような能力を持っているのか全く見えてきませんし、将来性があると思ったから入社したいなんて、自分の利益しか考えていない自分勝手な人に思われてしまうかもしれません。
すごい経歴や実績を持っている就活生なのであれば別ですが、そうでなければ内定獲得は難しいでしょう。

伊藤園の志望動機

【伊藤園】
私は御社の飲料製品を通じて、たくさんの方の喉を潤すだけでなく、心まで潤したいと思い、志望しました。飲料とは、水分を補給するために人にとって欠かすことのできないものです。しかし水分を取るという目的を果たすだけのものでなく、様々な飲料を通じてたくさんの人に満足してもらうことが出来ると思います。御社の飲料製品は品質の高さと幅広いバラエティに富んだ飲料製品を取り扱っているため、人々の心まで潤してくれるものだと考えています。私は御社の飲料製品を通じてたくさんの人の喉と心を潤すために働きたいと考えています。

まず思うのが、志望動機は会社の良いところを述べる場ではありません。
なぜ、応募した会社に就職したいのかを説明する場です。

上記の基本事項を前提とすると、この方は飲料の説明と誰でも知っている伊藤園の情報の説明しかできていません。
この方がなぜ伊藤園に就職したいのか、それが全く見えてこない志望動機です。

「飲料とは、水分を補給するために人にとって欠かすことのできないものです」という文章ですが、そんな当たり前のことを志望動機で述べる必要はありませんし、「御社の飲料製品は品質の高さと幅広いバラエティに富んだ飲料製品を取り扱っているため、人々の心まで潤してくれるものだと考えています」というのは、正直、意味不明です。
伊藤園のバラエティの多さに心を潤してもらったと、そんなこと感じる人はいるのでしょうか?

そもそも、たくさんの人の喉と心を潤したいというのですが、今の日本において飲料に困っている人なんてほとんどいません。
伊藤園の売上はほとんどが国内売上であることを考えると、他の切り口で攻めた方が無難だと思います。

スタージュエリーの志望動機

【スタージュエリー】
仕事を通して多くの方に笑顔になって頂きたいからです。マイナビの取材情報ページを読み、社員の方々が、お客様のために、会社のために、それぞれの仕事を活き活きとされているところに魅力を感じました。私は人と接することが好きで、人の感情を考え接することを大切にしています。宝飾品に関する知識はないですが、日々勉強をして経験を積み、お客様の求めているのはどんなものか、どのような気持ちでお店に来られたのか、常にお客様に関心を持ち、1人でも多くの方に満足して頂きたいです。

この方の志望動機にも、「なぜスタージュエリーを志望したのか」という明確な回答がありません。
マイナビの取材ページで魅力を感じたと述べられておりますが、具体性は全くないですし、他の企業の志望動機としても利用できてしまうほどの浅さですので、本当に入社したいの?って思ってしまいます。

その上、宝飾品に関する知識がないことを記載してしまっていますが、そんな人がなぜスタージュエリーを志望したのか、全く理解できません。
アルバイトの面接であれば問題ないのでしょうが、正社員の面接であればもう少し深掘りした理由を述べた方が良いと思います。
スタージュエリーに本当に就職したいのか全く見えてきませんし、手あたり次第応募しているように見えてしまいます。

確かに、就職活動は多くの企業に応募することが多いため、志望動機を応募企業ごとに作成することは大変であることは分かります。
受かっても就職したくないのならこの程度でも良いと思いますが、本当に入社したいのであればもう少し考えて作成することをおすすめします。




さいごに

いかがだったでしょうか?

競争の激しくない企業なのであれば深く考えなくても良いと思うのですが、競争の激しい企業に就職したいのであれば、ある程度誰が見ても納得感のある志望動機を準備することをおすすめします。
難しいとは思いますが、本当に就職したいのであれば自然と考えられるはずです。

逆に、そこまで就職したいと思わないけど応募する企業の方が難しいのかもしれませんが、労力をかけて受けるからにはしっかりしたものを準備することをおすすめします。
準備して簡単に落とされてしまっては、費やした時間が無駄になってしまいますから。
就職活動期間は限られているので、後悔のないように効率的かつ入念な準備をしましょう。